獨協学園は、人文科学・社会科学・自然科学の分野において、それぞれ特化 し専門化した領域を有する3大学(獨協大学、獨協医科大学―附属3病院と2 看護専門学校を有している―、姫路獨協大学)、および2中学・高等学校(獨協 中学・高等学校、獨協埼玉中学高等学校)から構成される総合的な学園です。 本学園は、1883年、西周らによって創設された獨逸学協会学校にその基を 有する伝統ある教育機関であり、知育・徳育・体育重視の全人教育をその基盤 としているものです。その成立過程の相違から、各学校はそれぞれの特徴を有し てはおりますが、獨協学園全体の教育目的は、各学校独自の建学の理念に基づ き、時代を超えた個性・特色ある教育・研究・医療を実現しようというものです。 本学園は、このような特徴を最大限に発揮し、教育・研究・医療を通して多様な 特色ある人材の育成を図りつつ、社会的・国際的に貢献します。 獨協学園では、平成10年度から基本計画(中長期計画)を策定しています。 令和5年度は、「獨協学園第13次基本計画(2022年度)」の初年度にあたり、 諸課題に対して各校及び学園本部が緊密に連携し取組みました。 学園全体での主な事業実績としては、各校においてはカリキュラム改正やIC T環境整備の継続等により引続き教育環境・教育の質を確保するなど、創意工 夫しながら学修支援に積極的に取組みました。また、各病院においてはアフター コロナ下で診療の安定を図りつつ、次世代医療の実現に向けたスマート化の検 討などを進めるとともに、安全で質の高い医療を提供するため既存施設設備の 改修・更新を着実に実施しました。施設面においては、獨協医科大学の創立50 周年記念事業など、計画した事業を着実に実行しました。これらの取組みにより、 学生生徒の確保に努めるとともに、地域に密着した教育機関、研究機関及び医 療機関としての責務を果たしてまいりました。 また、姫路獨協大学については、令和3年度に姫路市に対して行った公立大 学法人化に関する要望は困難との回答を得、その後の他法人への譲渡も実現に は至らず、経営改革に向けた新たな方策の検討を継続していくこととなりました。 事業活動収入の合計は、予算1,246億43百万円に対し決算では1,257億 獨協学園は、各校が連携して教育・研究・医療を通じて地域や社会へ貢献し ながら、各校では原則としてそれぞれの事業活動収入及び着実な償還計画のあ る借入金の範囲内で収支予算を編成することとしております。学園が有する人的・ 知的資源を有効に活用して学園内の協力関係をさらに深め、また外部との連携を 図ることにより、特色ある学校経営を進めてまいります。 令和6年度は、近年の少子化、文教政策の変化等、学校法人を取り巻く経営 環境が厳しさを増している状況に加え、当学園の経営に大きく影響する診療報酬 を含むトリプル改定の年にあたり全体的には厳しい改定となることが予想されます。 また、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行に伴い、コロナ関連の補助金・ 診療報酬が大幅には見込めなくなること、及び業界事情等による医療経費高騰や 世界情勢の影響等による諸経費高騰などを、様々な取組みによる診療報酬増加 策や経費削減策でもカバーしきれず、収支は悪化する見込みです。不安定な世界 情勢の継続や各方面での物価高騰など、引続き先行きが見通し難い中での事業 運営となります。 このような状況下、令和6年度は中長期計画である「獨協学園第14次基本計 画(2024年度)」の策定の年にあたり、姫路獨協大学の経営改革を始め学園の諸 課題を念頭に計画を策定してまいります。併せて、第13次基本計画で予定した事 業を着実に実行しつつ、外部環境の変化に機敏に対応し、各校において引続き教 学面、施設設備面及び学生サービス面の充実を図り、地域に密着した教育機関、 研究機関及び医療機関としての責務を果たし地域貢献を実現してまいります。ま た、ガバナンス強化と積極的な情報公開を進めることで、広く社会から評価されるよ う努めてまいります。 事業活動収入合計は1,280億円(令和5年度予算比33億59百万円増加)と なります。主な収入科目として、医療収入1,000億79百万円、学生生徒等納付金 182億19百万円、経常費等補助金収入51億円、寄付金収入14億72百万円等を 計上しております。基本金組入額は108億46百万円です。なお事業活動収入合計 に占める医療収入の割合は78.2%となります。 一方、事業活動支出合計は1,281億89百万円(令和5年度予算比49億7百万 円増加)となります。主な支出科目は、人件費495億65百万円、教育研究経費 722億19百万円(うち医療経費428億95百万円)、管理経費56億79百万円等と なります。 以上から基本金組入前当年度収支差額は1億86百万円の支出超過となり、基 本金組入後の当年度収支差額は110億32百万円の支出超過を計画しています。 事業活動収支予算書詳細については(表5)を、資金収支予算書詳細につい ては(表6)を、事業活動収入及び事業活動支出の科目別構成比については(図 表2)をご参照ください。 (獨協学園の事業報告及び財務情報の詳細については学園のホームページ https://dac.ac.jp/をご覧ください。) 学校法人獨協学園の令和5年度決算と令和6年度予算について DISCLOSURE 令和5年度 事業報告概要と決算について 01 令和6年度 事業計画概要と予算について 02 1 事業報告概要 1 事業計画概要 44百万円と11億1百万円の予算超過となりました。これは、主に経常費等補助 金収入や寄付金収入が予算を上回ったこと等によるものです。 事業活動支出の合計は、予算1,232億82百万円に対し決算では1,229億 86百万円と予算を2億95百万円下回りました。これは、主に教育研究経費や 管理経費および資産処分差額が予算を下回ったこと等によるものです。 以上のことから、基本金組入前当年度収支差額は27億57百万円となり予算 を13億96百万円超過いたしました。 当年度収入合計は1,674億11百万円と事業活動収入で説明した要因等に 加えその他の収入が予算を上回ったこと等により予算を81億25百万円超過し ました。当年度支出合計は1,706億10百万円と予算を49億円上回りました。こ れは、事業活動支出で説明した要因等に加え、資産運用支出が予算を上回っ たことによるものです。 以上のことから、翌年度繰越支払資金は310億22百万円と予算を47億81 百万円上回る結果となりました。 監 査 報 告 書 令和6年5月30日 学校法人 獨 協 学 園 理 事 会 御中 評 議 員 会 御中 学校法人 獨 協 学 園 監事(常任) 桑 原 克 也 監 事 沼 尾 利 郎 監 事 岡 原 宏 一 私たち、学校法人獨協学園の監事は、私立学校法第37条第3項及び学校 法人獨協学園寄附行為第7条第4項の規定に基づき、令和5年度(令和5年4 月1日から令和6年3月31日まで)の業務若しくは財産の状況又は理事の業務 執行の状況について監査を実施いたしました。 その結果について、次のとおり、報告いたします。 1 監査方法の概要 私たち監事は、理事会、評議員会その他の重要な会議に出席するほか、理 事等から業務の報告を受けるとともに、重要な決裁書類等を閲覧しました。 さらに、学園の内部監査室の協力を得て、法人本部及び設置されている各 学校において、業務並びに財産の状況を監査するとともに、会計監査人(監査 法人夏目事務所)と連携し、計算書類について検討するなど、必要と認めた監 査手続きを実施しました。 2 監査の結果 (1)学校法人獨協学園の業務及び財産に関する決定若しくは執行方法又は理 事の業務執行は適切であり、学校法人の業務並びに理事の業務執行に関 する不正行為、法令及び寄附行為に違反する重大な事柄は認められませ んでした。 (2)事業報告書、財産目録、資金収支計算書、事業活動収支計算書、貸借対 照表は会計帳簿と合致し、法令及び寄附行為にしたがい法人の経営並び に法人の財産及び収支の状況を正しく示しているものと認めます。 以上 3 資金収支(表2) 2 事業活動収支(表1、 図表1) 2 予算の概要 16 DOKKYO GAKUEN
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